悔しくて挫けそうになった時には…
その日は、朝から嫌な予感がしていた。
KDPの管理画面を開いても、数字がぴくりとも動かない日。SNSの投稿には、いいねが一つもつかない日。そういう日は、なぜか重なるものだ。
会社では、頑張って準備した資料を、上司に一言で却下された。「これじゃ伝わらないよ」。それだけ言われて、あとは何のフォローもなかった。
帰りの電車、いつもより混んでいる気がした。つり革も取れないくらいの人波に押されながら、ふと、スマホでKDPの画面を開いてしまった。
数字は、変わっていなかった。
家に帰って、誰もいない部屋で、ベッドに倒れ込んだ。
「なんで、こんなに頑張っているのに」
声に出してみたら、思ったより掠れていた。
本を一冊書き上げた。表紙も作った。Xでの交流も、苦手なりに続けてきた。それでも、何も変わらない日は、容赦なくやってくる。
悔しかった。
努力したぶんだけ結果が出るなら、こんなに簡単なことはない。でも現実は、そんなふうに優しくできていない。頑張っても報われない日のほうが、たぶん多い。
「やっぱり、自分には向いていないのかもしれない」
そんな言葉が、頭の中をぐるぐる回った。
会社の評価も、副業の結果も、何もかもが「お前には無理だ」と言ってきているような気がして、布団を頭からかぶった。声を殺して、少しだけ泣いた。
情けないと思った。三日坊主のくせに、ここまで頑張った自分を、誰かに認めてほしかったのかもしれない。誰も見ていない場所で、こっそり期待していたんだと思う。
それなのに、結果は無情に「ゼロ」のままだった。
しばらく天井を見つめていた。
ふと、最初にAIに話しかけた夜のことを思い出した。
「第1章書いて」と打ち込んだだけで、画面いっぱいに文字が溢れてきたあの瞬間。あの時の興奮は、本物だった。誰かに強制されたわけじゃなく、自分で選んでスタートボタンを押した夜だった。
「結果が出ないのが、悔しい」ということは、裏を返せば「本気でやっているから悔しい」ということでもある。
何もしていなかったら、悔しいとさえ思わなかったはずだ。
そう考えたら、少しだけ、肩の力が抜けた気がした。
ゲームだって、ボス戦で何度も負けることがある。何度もコンティニューして、少しずつ強くなって、ようやく一歩前に進める。今日のこの悔しさも、たぶんそういう「経験値」の一つなんだと思う。
スマホを手に取って、もう一度KDPの画面を開いてみた。
数字は変わらない。でも、なぜか今度は、さっきよりも少しだけ冷静に見られた。
「明日、また書こう」
そう小さくつぶやいて、電気を消した。
涙の理由は、悔しさだけじゃなくて、ちゃんと頑張っている自分を、心のどこかで信じたかったからなのかもしれない。
うまくいかない日があってもいい。
くじけそうになる夜があってもいい。
それでも、また布団から起き上がって、明日もう一度スタートボタンを押せるなら。
それだけで、今日という日は、決して無駄じゃなかったんだと思う。
あなたの「今日」が、素晴らしい明日に繋がることを、心から応援しています。
さあ、また、ゲームをはじめよう。